著書の紹介

ホルスタインの改良 ー稼ぐホルスタインの体型ー

皆さんは、牧場のウシを改良し、良いホルスタインを作出したいと思っていますよね。

それでは、良いホルスタインとは、どういうホルスタインなのでしょうか。

私が思うに、良いホルスタインとは、人よって職業によって違うのではないかと思います。

大いなる冗談でいいますが、例えば
エサ屋さんにとって良いウシとは、
乳量に関係なく、たくさんのエサを食べてくれるウシが良いウシです。
たくさんのエサを食べてくれれば、たくさんのエサが売れるからです。
授精所にとって良いウシとは、
2~3回の授精で受胎するウシです。
1回の授精で受胎すると、精液の本数が売れませんし、4回ともなると、精液
性状が悪いと批判されるからです。
授精師にとって良いウシとは、
1回の授精で受胎するウシです。
3~4回の授精を要すると、腕が悪いと評価されるからです。
削蹄師にとっては、
柔らかく、早く伸びる蹄を持ったウシです。
簡単に削蹄でき、削蹄の回数がかせげるからです。

冗談で言いましたが、このように良いウシとは、人によって職業によって違うのではないでしょうか。

それでは、酪農家にとって良いウシとは、それは、産乳量が多くて、それも長命連産で生涯乳量の多いウシです。

この本は、酪農家にとって良いウシである、産乳量が多く長命連産に耐えるウシの体型を、ホルスタインの身体の各部位について多数の写真を使って科学的に解説してあります。

ホルスタインの体型を感覚ではなく、科学的に理解しておけば、ホルスタインが乳牛ではなくなって肉牛にでもならない限り、永久不変の知識として活用できます。
是非、この本を読んで、皆さんのウシの改良を進めてください。

勝利へのリーディング -ベスト・リードパーソンへの道-

私は、仕事の関係上、日本の各地のホルスタイン・ショー(共進会)を見てきました。そこで感じたことが二つあります。

一つは、皆さんは多大の時間と情熱を込めてウシの毛刈りをしますね。出品直前のトップラインの最終調整では2~3㎜突き出た1本の毛まで刈って。
ホルスタイン・ショーに出品するにあたって、ウシの毛刈りをすることは、審査員と観客に対する出品者のマナーであることは確かです。
しかし、私が残念なのは、毛刈りで精魂尽き果てたのか、毛刈りに注いだ情熱をリードでは出していないリード・パーソンが多々見受けられることです。「完璧な毛刈りをしたから勝った。」と思っているのかも知れませんが。
ホルスタイン・ショーの審査は、毛刈りの良し悪し競う毛刈り競技会ではなく、ウシの骨格各部位の正確さやバランスの良し悪し、ならびに乳用性の有る無しなどを審査するのです。
確かに、毛刈りをすると、ウシの骨格は見やすくなります。しかし、毛刈りをしているウシでしか骨格を見れない審査員は審査員失格で、毛刈りをしていないウシでも骨格の正確さを見れるのが審査員なのです。
皆さんが努力して育て、精魂込めて毛刈りしたウシを美しく見せるためには、場面々々にあったリードのテクニックが必要なのです。

二つ目は、皆さんは、観客がいない会場でウシをリードしたいですか。
観客が多ければ多いほど、俺のウシとリード・テクニックを見せてやると、振るい立ちませんか。
日本のホルスタイン・ショーは、まだまだマイナーであり、糞尿と騒音などの問題から、会場の立地条件もそれほどよくないため、酪農関係者以外の人はあまり見にきません。しかし、市町村や県によっては畜産祭りを同時開催するところもあり、立ち寄る一般人がいます。フラッと立ち寄った一般人に、「ホルスタイン・ショーは素晴らしい。友人に紹介し、次は家族と友人と一緒に見にこよう。」と思わせる雰囲気を作っているでしょうか。
ショーは一種の興行です。興行は観客を呼び込み、観客を満足させ、感動させなければいけないのです。
観客を感動させるためには、リード・パーソンの服装とか態度などマナーも大切なのです。

この本では、ホルスタイン・ショー(共進会)のリングにおけるリード・パーソンのマナーやリード・テクニックを、多数の写真や図を使って説明してあります。

この本を読むことによって、正しいマナーとリード・テクニックを身につけ、ベスト・リード・パーソンへの道を歩んでください。

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