皆さんは、牧場のウシを改良し、良いホルスタインを作出したいと思っていますよね。
それでは、良いホルスタインとは、どういうホルスタインなのでしょうか。
私が思うに、良いホルスタインとは、人よって職業によって違うのではないかと思います。
大いなる冗談でいいますが、例えば
エサ屋さんにとって良いウシとは、
乳量に関係なく、たくさんのエサを食べてくれるウシが良いウシです。
たくさんのエサを食べてくれれば、たくさんのエサが売れるからです。
授精所にとって良いウシとは、
2~3回の授精で受胎するウシです。
1回の授精で受胎すると、精液の本数が売れませんし、4回ともなると、精液
性状が悪いと批判されるからです。
授精師にとって良いウシとは、
1回の授精で受胎するウシです。
3~4回の授精を要すると、腕が悪いと評価されるからです。
削蹄師にとっては、
柔らかく、早く伸びる蹄を持ったウシです。
簡単に削蹄でき、削蹄の回数がかせげるからです。
冗談で言いましたが、このように良いウシとは、人によって職業によって違うのではないでしょうか。
それでは、酪農家にとって良いウシとは、それは、産乳量が多くて、それも長命連産で生涯乳量の多いウシです。
この本は、酪農家にとって良いウシである、産乳量が多く長命連産に耐えるウシの体型を、ホルスタインの身体の各部位について多数の写真を使って科学的に解説してあります。
ホルスタインの体型を感覚ではなく、科学的に理解しておけば、ホルスタインが乳牛ではなくなって肉牛にでもならない限り、永久不変の知識として活用できます。
是非、この本を読んで、皆さんのウシの改良を進めてください。