酪農後継者を目指す女性

ショーを見学していると、ここ10年ほど、女性のリード・パーソンが目につくようになってきました。それも農業高校の女性が。もちろん、以前から女性がリードしていましたが、多くはありませんでした。

これは、各都道府県の農業高校に、体型のよい有望なホルスタインが繋養されるようになったことと、かなりの都道府県で、出品牛に高校生枠が設定されだしたことが要因であろうと考えられます。
高校生枠を設定して、若者に酪農への関心を持たせることは、素晴らしい発想だと思います。がんばれ高校生。

酪農家さんを訪問しますと、酪農家のお子さんが幼少な頃は、どちらかというと、男の子よりも女の子のほうが、ウシが好きなように感じます。しかし、女の子が思春期を迎えるころから、恥ずかしいのか世間体を気にするのかどうかわかりませんが、だんだんとウシから遠ざかってしまいます。これは、日本が農耕民族で、牧畜民族ではないからでしょう。牧畜民族の北米では、思春期の女性が、嬉々としてショーリングでウシをリードしています。

最近の農業高校の生徒の男女比率を見ると、女子のほうが男子よりも多いように感じられます。また、農業高校の畜産科には酪農班等があって、ウシに興味がある生徒が集まり、日々リードの練習をしているようです。

最近の高校生は、草食男子ではありませんが、女子のほうが積極的なのか、高校生枠で出品されたウシをリードするのは、どちらかと言えば女子のほうが多いように感じられます。

しかし、残念なことは、ウシが好きで、農業高校でウシを学んでも、酪農関係の就職先が少ないことからか、高校卒業とともに酪農界から離れていってしまうことです。
非常に残念です。ウシの好きな女性の活躍の場をどうにかならないか。

例えば、酪農農家数が減っている現在、廃業酪農家の牧場を引き受け、規模を拡大して家族経営から雇用経営に変更して農業高校卒業生を雇い、週休制を導入するとかの手立てはないものでしょうか。
酪農界あげて再考していただきたいものです。