ホルスタインの写真撮影時の姿勢について

ウシの写真を詳しく見てみましょう。

経産牛は、写真を撮る側の後肢を前にして(図1)、未経産牛は写真を撮る側の後肢を後ろにして(図2)、撮られていることに気づきませんか。

それは、なぜでしょうか。

経産牛の場合、写真を撮る側の後肢を後ろにしてしまうと、乳房が写らなくなってしまうのです(図3の左写真)。
経産牛の最大のアピールポイントは乳房です。その乳房を見せないことは意味がないのです。そのため、写真を撮る側の後肢を前に出して乳房が写るようにするのです(図3の右写真)。

これは、簡単に理解できると思います。

それでは、なぜ未経産牛は写真を撮る側の後肢を経産牛とは反対に後ろにするのでしょうか。
下の図4を見てください。上の横線と下の横線で、どちらが長くみえますか。

これは、有名な「ミュラー・リヤーの錯視図形」といって、下の横線が長く見えますが、それは目の錯覚で、実は両方の線は同じ長さなのです。測ってみてください。

この目の錯覚を利用したのが未経産牛の写真です。

図5の右側の写真のように、写真を撮る側の後肢を前にしているウシよりも、図5の左側の写真のように、写真を撮る側の後肢を後ろにしたほうが、ウシが長くみえて格好がいいのです。同じウシなのに。

写真は、人間の目の錯覚を利用して撮ることも大切な要素であることが理解できると思います。