ホルスタインを評価するときの言葉に、「中躯の充実」と言う言葉があります。
「中躯の充実」とは、中躯が長く、深さがあり、後ろから見て幅がある(開帳している)ことを言います。
中躯が充実していると、体に大きな胃を収容することができます。大きな胃があれば、たくさんのエサを食べることができます。たくさんのエサを食べれば、たくさんの乳量が期待できるのです。
中躯を構成しているものは肋骨です。
それでは、中躯を構成している肋骨は何本あるでしょうか。
肋骨は、品種特性として、各動物で本数が規定されています。
ウシの肋骨は片側13本の骨の対で成り立っています。
もし、中躯を長くするために、1本多く14本の肋骨を持ったウシを作出したとしたら、そのウシは、「スーパー・ホルスタイン」かどうかはわかりませんが、ホルスタインという品種ではなくなってしまいます。
ちなみに、人間は12対、馬は18対、豚は14~16対、犬は13対の肋骨で成り立っています。
それでは、この13本の肋骨でいかにして中躯を長くしていくかです。
中躯を長くするために骨を分析してみますと、骨は、骨の幅と、骨と骨との間の骨間幅と、骨の流れている方向に分析できます。
つまり、肋骨は丸骨よりも平骨のほうが長さがとれてよいことになります。
骨間幅は、骨と骨とが離れているほうが長さがとれてよいことになります。
骨が流れている方向は、骨が下に流れているよりも、斜めに流れているほうが長さがとれてよいことになります。