育種改良は世代交代です。
それでは、あなたの経営期間で何世代取れるか試算してみましょう。
前提条件として、あなたの経営期間 30年(360ヶ月)
妊娠期間 10ヶ月
初産分娩 25ヶ月(家畜改良事業団「乳用牛群能力検定成
績のまとめ」で、2020年度24.8ケ月のため、
計算上25ケ月とする。)
分娩間隔 15ヶ月(家畜改良事業団「乳用牛群能力検定成
績のまとめ」で、2020年度446日のため、
計算上15ケ月とする。)
雄雌比率 50%
とします。
第三子分娩までのタイムテーブルは、下図1のとおりとなります。
自分の経営方針としてホルスタインしか交配しない、という牧場では、第一子も第二子もホルスタインが生まれてきます。
生まれてくる初生牛の性別は、雌雄比率を50%と条件設定したため、第二子が生まれれば、どちらかが雌となります。よって、第一子の出産25ヶ月と第二子の出産40ヶ月の平均32.5ヶ月が、理論上の後継雌子牛誕生となります。(図2 参照)
一世代32.5ヶ月は、経営期間360ヶ月で 11.1 世代となります。
一方、初産分娩は難産が心配なので、初産には黒毛和種を交配してF1に決めている牧場もあります。
この牧場では、第一子はF1ですから乳用牛としては使いものになりません。
この場合は、第二子の出産40ヶ月と第三子の出産55ヶ月の平均47.5月が、理論上の後継雌子牛誕生となります。(図3 参照)
一世代47.5ヶ月は、経営期間360ヶ月で 7.6 世代となります。
また、ある牧場の経営者は、「最近の性選別精液は信頼できるので、種雄牛の分娩難易度を見ながら、初産から性選別のホルスタインを交配する。」といいます。
この場合は、性選別精液ですから、第一子は雌となり、ホルスタインの後継牛誕生は25ヶ月となります。(図4 参照)
一世代25ヶ月は、経営期間360ヶ月で 14.4 世代となります。
自分で想像していたよりも、意外と世代数が取れないものだな、と感じたかたが多数だと思います。
以上、三つのタイプの経営方針での世代数をまとめたのが下の表です。
経営方針によって、世代数にかなりの差がでてくることが理解できると思います。
経営期間30年は、長いようで短いものです。
これを機会に、自分の経営方針を再度考え直してみることを勧めます。
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