酪農の基本とは、何か ? と、質問されたら、皆さまはどう答えます。
ある人は、「牛乳(専門的には、生乳)を搾ること。」と、答えるでしょうし、
ある人は、「メス牛を分娩させること。」と、答えるでしょうし、
また、ある人は、「メス牛を育てること。」と、答えるかもしれません。
どの答えもあっているかも知れません。
酪農業は、牛乳(生乳)を搾ることを生業(なりわい)としている職業です。ですから、「牛乳(生乳)を搾ること。」は正解です。
しかし、ウシは何故、乳をだすのでしょうか。
それは分娩した仔牛を育てるために、仔牛の最初の食料となる乳をだすのです。ですから、「メス牛を分娩させること。」も一つの正解でしょう。
乳は、当然、メスしか泌乳しませんので、「メス牛を育てること。」も正解でしょう。
それでは、ウシは何故、分娩するのでしょうか。
ウシは分娩しなければ乳をだしません。分娩するためには、まず初めにメスの卵子とオスの精子が授精して受精卵となり、その受精卵が細胞分裂を繰り返して胎児とならなければなりません。
つまり、酪農の基礎は、「授精」 となるのではないでしょうか。
これは、あくまでも私個人の見解ですが、それほど間違ってはいないのではないでしょうか。
この授精が上手くいくためには、育成牛・泌乳牛・乾乳牛の適切な管理によって、メス牛のホルモンバランスを保つ必要があるのです。
牛乳(生乳)をだす泌乳牛のみをかわいがらずに、全てのウシを均等に管理しメス牛の適切なホルモンバランスを保ち、酪農の基礎となる授精を確実に成功させ、明るい儲かる酪農業を行ってください。