乳量の表現には、①現在の乳量 ②ピーク時の乳量 ③一産乳量 ④生涯乳量 などと、いろいろの表現があります。
このように、乳量の表現にはいろいろありますが、これからは、生涯乳量 を追求してください。
例えば、初産乳量が1万1千キロ、というと非常に素晴らしく、格好がいいですが、一般的にいって、そういうウシは二産目の授精がうまくいかずに、そのまま生涯乳量11,000㌔で終わってしまうことがあります。
初産乳量が6,500㌔ですと、今の時代、少々物足りませんが、そのようなウシは意外と長持ちしますから、二産目に7,000㌔、三産目に7,500㌔、四産目に7,500㌔だしますと、生涯乳量は28,500㌔になります。
一方、初産乳量が多くても少なくても、そのウシの育成費用はほとんど変わりません。
初産を24ヶ月とすると、育成費用はおおよそ月に1万円ほどかかりますから、24ヶ月で育成費用は24万円となります。
育成費用24万円を生涯乳量11,000㌔で割るとキロ当たり21.8円となります。また、生涯乳量28,500㌔で割るとキロ当たり8.4円となります。
乳代は、1㌔約100円ですから、生涯乳量11,000㌔ですと、なんと乳代の21.8%もが育成費用として取られてしまいますが、28,500㌔ですと8.4%の育成費用ですむのです。
この計算は、認識を新たにしてもらうため、乳量の差を少々オーバーにしていますが、育成費用が、いかに大きな影響を持っているかが理解できると思います。
ホルスタインは、丈夫で長持ち、つまり、長命連産が一番なのです。
生涯乳量が、いかに大切かが理解できたと思います。