風水害が多発。近隣県同志会の相互支援協定を

2018年の北海道豪雨や2019年の台風14号による千葉県の風害による災害。
最近は天候不順による自然災害によって、インフラに大きな被害をもたらします。
酪農業にとっては、水道と電気のストップが特に深刻な被害となります。

一日に60リットル以上もの水を飲む牛への給水が止まったら、牛はどれほどのダメージを受けるか。
水は生命の源ですから、一般的に、災害県から自衛隊や近隣県への救援依頼によって給水車が派遣されるでしょうが、これも、人命救助が第一で、とても家畜への給水には回されません。
水の場合、井戸からの汲み上げるという手段もありますが、停電がともなえば、これとて不可能になります。
最後の手段は、近くの河川からの水の手当となりますが、これも、河川から水を汲み上げる電気やガソリンが動力源のポンプが必要となります。

電気が止まったら、1日2~3回行う搾乳ができなくなります。今の飼養頭数を全頭手搾りなど、至難の業です。
停電対策として自家発電装置を備えている酪農家は、ゼロと言えなくとも数えるほどでしょう。
例え自家発電装置を備えていたとしても、ガソリン購入にあたっては、災害地のガソリンスタンドへのガソリン供給不足から、給油量は制限されてきます。

また、どうにか搾乳したとしても、停電でタンクの保冷装置が動かないため、生乳は廃棄処分にしなければなりません。

このようなことを踏まえて、酪農業への風水害の被害を少しでも減らすために、近隣県の同志会が連携をし、自然災害の発生した県に、ショーの現場で使用する発電機を運び込む災害相互支援協定を結んではいかがでしょうか。

各牧場とも、治療牛の分別搾乳のためのバケットは持っているため、発電機さえあれば搾乳は可能です。
タンクのクーラーが使用できずに、残念ながら絞った生乳を廃棄処分にしなければならなくなっても、搾乳するだけで乳牛が受けるダメージを緩和することになるはずです。
最近は、全般的に電気の復旧はかなり早くなっていますので、それまでのつなぎとして皆さまの発電機が機能するはずです。搾乳牛へのダメージを最小限に抑えれば、電気の復旧とともに生産体制を元に戻せます。

もちろん、発電機を提供する場合は、災害地のガソリン供給の制限を考慮して、発電機にはガソリンを満タンにし、かつ、予備の給油缶も満タンにして渡す思いやりをもって。

発電機を持っている酪農家は、各県の全体の酪農家数からすれば少ないでしょうから、1県の酪農家の発電機では災害県の酪農家全体をカバーすることはできません。しかし、近隣の多数の県の同志会と災害相互支援協定を結べば、行政などの備蓄の発電機を加えて、かなりの酪農家を助けることができるのではないでしょうか。

各県の同志会が災害相互支援協定を結ぶことによって、少しでも仲間の酪農家が救われればいいではありませんか。
是非とも、ご一考を。