運動機能と肢の耐久性に関係する 蹄踵(ていしょう)の厚さ

『踵』(訓読みで[くびす]・音読みで[しょう])とは、『蹄の裏の後部』、つまり『かかと』をいいます。
ちなみに、『蹄の先』、つまり『つま先』を『蹄尖(ていせん)』といいます。(図1)
この二つの言葉は専門用語ですが、酪農家は知っていたほうがいいでしょう。

『蹄踵(ていしょう)の厚さ』、つまり『かかとの厚さ』は、後肢の蹄の厚さを見ます。(図2)
左右の後肢の蹄踵の厚さが違うときは、薄いほうの蹄踵を見ます。

蹄踵が薄いと、歩行中に蹄の付け根(図3の赤矢印の箇所)が傷つき、そこから細菌が侵入して、飛節を痛め、歩行困難となることから、廃用の一因となります。

特に、フリー ストールやルーズ バーンでの飼養形態では、コンクリートの通路をウシが自由に歩き回りますので、蹄踵が薄いと蹄の付け根が、傷つきやすくなります。

標準化伝達能力での『蹄踵(ていしょう)の厚さ』の評価は、もちろん、プラスがよいことになります。

フリー ストールやルーズ バーンでの飼養形態へ移行を考えている牧場では、移行を考えた時点で、蹄踵の厚さの改良に取り組むべきだと思います。また、移行にあたり、増頭するためウシを導入するときは、産乳能力よりも、『蹄の角度』と『蹄踵の厚さ』を重視すべきです。長持ちするウシのほうが、生涯乳量が多くなります。ウシの導入費用が同じとすれば、生涯乳量の多いウシのほうが、生乳1リットル当たりの導入経費が割安になるからです。(参照:酪農経営「酪農家はホルスタインの生涯乳量を追求しよう」)