ホルスタイン種雄牛成績の見方 ③分娩難易度について

分娩難易度とは、ある種雄牛の精液を授精した初産のメス牛が分娩するときに、その分娩が難産になるか安産になるかを示したものです。

発表されたデータの集計条件としては、(1)初産であること。(2)産子がホルスタイン種であること。(3)初産分娩が18~35ヶ月齢であること。(4)単子の分娩であること。(5)同一管理グループに同期牛が存在すること。となっています。

分娩難易度と一言でいいますが、実際は、“難”と“易”の相反する言葉が一緒になったものです。つまり“難”は『難産度』”で、“易”は『安産度』です。

数字が上がるほうが難産になるのが『難産度』で、数字が上がるほうが安産になるのが『安産度』です。

当然、種雄牛案内のパンフレットでは、『難産度』か『安産度』かを明記すべきです。

ですから、種雄牛の案内で、分娩難易度と表記しているパンフレットがあるとすれば、ウシの成績の表示法を知らないか、言葉を知らない会社の最悪のパンフレットとなります。

もし、そのようなパンフレットが配布されたときは、分娩難易度が『難産度』か『安産度』かをしっかりと確認してください。そのような会社のセールスマンは、分娩難易度について、詳しく教育されているとは思いませんが。

しかしながら、確認しないのは、使う側の責任ともいえます。確認しないで自己判断で使用すると、とんでもないことが起こり得ますので注意してください。

なお、分娩難易度の表記では、
日本は難産度で、7%を基準として、7%より大きくなると難産になる傾向が高くなると考えられます。

カナダは安産度で数値表記です。100が平均で、85~115の数値で示されています。100より数字が高くなるほど安産の傾向となります。
カナダの種雄牛で難産度がパーセント表記されているものは、カナダの授精所が自社所有の種雄牛をアメリカで後代検定にかけた種雄牛です。当然、発表される検定項目の仕様はアメリカと同じになります。よって、表記されているパーセントは難産度で、数値が高くなるほど難産の傾向となります。
カナダの種雄牛で、アメリカで検定にかけられた種雄牛は、発表成績をよく見ればわかりますが、発表成績の項目も体型形質の数も違います。

アメリカは難産度で、数値が大きくなるほど難産になる傾向が高くなります。
数値は成績の発表ごとに、平均値が多少変わります。
2017年4月の発表では、平均値が7.9となっています。数値が7.9より大きくなると難産になる傾向が高くなります。

分娩難易度は、酪農家の協力による種雄牛候補の後代検定の結果として判明するものです。当然のことながら、検定用として配布される(種雄牛候補の)精液の分娩難易度はわかっていません。

よって、検定用として配布される精液は、未経産牛に使用することは避けるべきです

以前は、日本では後代検定の終わっていない種雄牛(これを ヤング・サイアー といいます)の精液は販売できませんでしたが、最近は販売可能なようです。
ヤング・サイアーの精液を使用するなとはいいませんが、使用にあたっては十二分に気をつけてください。
すべては、自己責任です。