ホルスタイン共進会(BWショー))でウシをリードするとき、ウシの頭の位置(高さ)はどの程度がいいのでしょうか。難しい課題です。
ウシの頭の位置は、高すぎると、喉がつっぱって苦しそうに見えます。(写真1)
ウシの頭の位置が、低すぎると、「負けました。」と、うなだれているように見えます。(写真2)
それでは、どの位置がいいのでしょうか。
私が、日本・アメリカ・カナダの種雄牛の宣伝パンフレットに掲載されている娘牛や、各地の共進会(ショー)の上位入賞牛の写真数百点を細かく分析したところ、写真に写っているウシの頭の位置は、ウシの背線の延長線が、ウシの下顎(したあご)から鼻鏡(鼻づら)に至るものが圧倒的に多いことがわかりました。(写真3)
種雄牛のパンフレットに掲載されている娘牛や、共進会(ショー)の上位入賞牛は、素晴らしいホルスタイン・メス牛であり、かつ、プロの写真家が、ウシが最も美しく見える姿勢で写真を撮っているはずです。ですから、ウシの頭の位置は、この姿勢が一番きれいだと判断されます。
皆さんが、共進会(ショー)でウシをリードするときは、このことを念頭において、ウシの背線の延長線が、ウシの下顎(したあご)から鼻鏡(鼻づら)に至る頭の位置でウシをリードするように、十分な練習をしてください。
このことは、ウシの体高にあったリード パーソンがウシをリードすべきだということを意味していると思います。
背の低いリード パーソンが、手を目いっぱい上に伸ばしてウシをリードしている姿を時々見ることがあります。自分のウシを自分で引きたいというリード パーソンの気持ちはわかりますが、見ていてあまり美しいとは感じられませんし、審査にかかる何十分ものあいだ手を上げ続け、歩くことは至難の業です。ウシの体高にあった人が、余裕を持ってウシをリードする。これが何時間もの厳しい調教を経てきたウシへのいたわりであり恩返しでしょう。