牛のクローン ⑤ 黒毛和種(和牛)のクローン編

黒毛和種(和牛)のクローンについて考えてみましょう。

和牛のクローンに価値があるかどうかです。

牛の枝肉の取引規格は、①歩留等級と②肉質等級で決められます。

① 歩留等級は次の表のとおりで、3等級に分かれており、A等級が最高ランクとなります。

② 肉質等級の抜粋は次の表のとおりで、5等級に分かれており、5等級が最高ランクとなります。

つまり、和牛の品質は、肉への脂肪交雑(霜降り)が決め手となります。

脂肪交雑は、給与飼料も関係しますが、血統が大きな要因を占めています。

そのため、黒毛和種の種雄牛の後代検定で脂肪交雑が高いと評価された種雄牛はもてはやされます。
結果として、肉素牛を生産する農家は、「あの種雄牛の子供です。」といって売れば高く売れるため、時として、種雄牛の精液の販売本数よりも肉牛として販売される頭数のほうが多いという問題がおきるのです。

乳牛の場合、改良の進展によって一産乳量には上限がありませんが、和牛の肉質の規格では、歩留等級がAで、肉質等級が5のA5が最高の品質となり、A6という規格がありません。よって、A5の肉質が期待できる和牛のクローンは極めて価値があるのです。
もちろん、飼養管理や給与飼料によっても影響を受けますので、すべてのクローン牛がA5になるとは言い切れませんが、確率的にはかなり高いものがあるでしょう。

現在、日本の各地に和牛のブランドは多々ありますが、その中でも特に有名な松坂牛は、すべてメス牛の未経産牛とのことです。
A5の期待が持てる、メス牛のクローンは、すばらしい価値があるのではないでしょうか。

しつこく言いますが、A5の期待が持てる和牛のメス牛のクローンですが、クローンの卵を借腹牛に移植してから誕生し、出荷するまでは、約3年かかることを忘れずに念頭に置いておいてください。