乳牛 の 配合飼料 と 添加剤 について一考

以前、配合飼料は「完全配合飼料」として販売されていました。
しかし、「完全配合飼料」だけで家畜は成長するのか、とのクレームが持ち上がり、「
完全配合飼料」から「完全」が外されて現在にいたっております。

確かに、牛用配合飼料は、粗飼料を給与しなければいけませんので、配合飼料を「完全配合飼料」とは言い過ぎかも知れません。

さて、現在の「配合飼料」は、もちろん粗飼料を給与しなければいけませんが、配合飼料として不完全でしょうか。各メーカーの配合飼料も、メーカーの研究の進展によってかなりのレベルにいっていると思うのですが。

酪農家は、牛群としてすばらしい成績をあげ、世間にその評判が広まると後に引けなくなり、この成績を維持できるかと不安がつのってまいります。
逆に、管理不十分でなかなか成績の上がらない酪農家は、このままで経営が維持できるかと、これまた不安がいっぱいです。

ここに添加剤のつけ込む余地がでてくるのです。
産乳能力がすばらしいが、そのために繁殖成績に問題がでてきている酪農家には「空胎期間が延びているでしょう。この添加剤を与えて空胎期間を短くしませんか。」と。
また、産乳成績の上がらない酪農家には「この添加剤を給与すると、成績が上がりますよ。」と。

この繰り返しによって、酪農家の皆さんは、かなりの種類の添加剤を使っていませんか。

今ここで、再考してみましょう。
「こんなにたくさんの種類の添加剤を使っていて、本当に効果があるのだろうか。」と。

皆さんは、疲労したとき、栄養剤(ドリンク剤)を飲むときがあると思いますが、その時、何本の栄養剤をのみますか。
多分、一本でしょう。
なぜ、二本・三本飲まないのですか?
それは、それ以上飲んでも、余分な栄養は尿として排出されてしまうからですね。
栄養剤を飲んだとき、尿が黄色くなるのは、余分な栄養分が排出されているからです。

この事実と、ウシに与えている数種類の添加剤を重ね合わせて、再度、考えてください。
「余分な栄養として排出されてしまう添加剤を」与えていないかと。

経営とは、費用 対 効果を考えて、余計な出費を抑えるのが基本です。
一度、数々与えている添加剤の給与を再検討してみたらいかがですか。

添加剤をやめろとはいいません。
添加剤の種類を再検討してみては、と提案しているのです。