ホルスタイン共進会(BWショー)での服装について

ショー(共進会)を見学していると、綺麗に毛刈りされたウシを白いYシャツに白いズボンを着用した老若男女が、真剣そのものにリードしています。

実に、共進会(ショー)は素晴らしい。

ではなぜ、共進会(ショー)では白いYシャツに白いズボンを着用するのでしょうか。

審査員は、ショー(共進会)の審査中はあくまで中立の立場でなければショー(共進会)は成り立ちません。ショー(共進会)の開会式での審査員の挨拶で「本日は、中立の立場で厳正に審査いたします。」と、ほとんどの審査員が挨拶するのは当然のことなのです。

日本では、県のショー(共進会)においては各地区の同志会によって、広域地域のショー(共進会)によっては県によって、シャツの背に同志会名や県名がプリントされたシャツや、同じカラー・シャツを統一して着用しリードすることがあります。

一つの邪推[じゃすい]の例ですが、同じカラー・シャツでリードした場合、「前のクラスも前々のクラスもあの色のシャツを着たリードマンのウシを一位にした。このクラスでもあの色のシャツのウシを一位にしたら、何か言われるかもしれない。」、と審査員が考えて、あえて一位のウシを二位にしないとも限らないのです。しかし、これは、あくまでも邪推ですので、誤解しないでください。審査員は、厳正中立が立場でありますし、シャツの色やプリントされた名前に影響されるような、精神的に弱い審査員はいないはずですから。

逆に、もし同じ色のシャツでリードしたウシが連続的に上位を占めたとしたら、観客席から「あの審査員おかしいんじゃないの。昨日の夜、やつらと一杯飲んだか。」との声が、上がるかも知れません。

力と力のぶつかり合いの勝負ならば、勝敗ははっきりしていますが、人間の感覚によって差のつく勝負は常に不満がつきまといます。審査員が複数いる体操やフィギアスケートにしても、審査員による採点競技はトラブルが絶えません。まして、ホルスタイン・ショーは審査員が一人なのですから。

トラブルの原因、それも人的な要素を事前に排除する。つまり、主役であるウシをリードする脇役としてのリード・パーソンの服装は統一したほうがいいのです。

また、ショー(共進会)を見る側からしても、統一された服装での行動は感激するものです。

警察や自衛隊などの音楽隊が美しく見えるのは、統一された服装で行動しているからです。

カナダ・ホルスタイン協会の規約では、服装について次のように規定されています。

Dress Code
All exhibitors must be dressed in white shirts and trousers free of colors, letters, logos, or labels.

服装規約
全ての出品者は、色・文字・ロゴ・ラベルの付いていない白いシャツとズボンを着用しなければいけない。

ではなぜ、白いYシャツに白いズボンなのか、の回答です。

それは日本の酪農は、北米の影響が強いからです。ただ、それだけです。

フランスではまったく趣[おもむき]が違ってきます。フランス最大のホルスタイン・ショーであるスペース・ショーでは、黒いズボンに白いYシャツを着用し、白いYシャツの背中と胸には“SPACE”の文字が緑色で印刷されています。その上、さすがファッションの国、緑色のネクタイも締めています。ただし、リードマン全員が同じ服装ですので、これも審査員への影響を排除する思想が根底にあることに、間違いはありません。

もし、日本の酪農にフランスの影響が大きかったら、皆さんもネクタイを締めてリードしていたかも知れませんね。