ホルスタイン共進会(BWショー)で気にかかること ② リード パーソンの態度

ホルスタイン共進会やブラック・アンド・ホワイト・ショーを観戦して気にかかることが4点あります。
一つは、出品者の服装です。
二つ目は、リード・パーソンの態度です。
三つ目は、場内整理係員の行動です。
四つ目は、観客の少なさです。

ここでは、二つ目の「リード・パーソンの態度」について記します。

お客さんを集めて演劇・スポーツ・映画などを見せる『興行』を、皆さんも見たことがあると思います。

例えば、皆さんが野球を見た場合、選手が自分が下手なのに、三振をしたときに、カッとなってバットを地面に叩きつける場面をみたことがありませんか。
その場面を見たとき、あなたの感情は「ファイトがある態度でいいぞ。」と、拍手喝采となるのでしょうか。反対に「不愉快だ。出場停止にさせろ。」と、なるのでしょうか。
一般的には不愉快な思いをする観客が多いいのではないでしょうか。

このように、興行においては、観客に不快感を与えてはいけないのです。

ひるがえって、共進会(ショー)を見てみましょう。
リード・パーソンは、全員が自分のリードするウシに自信を持っています。それは、ある面、当然のことです。自分の牧場の、あるいは、地区の代表として出品するのですから。
しかし、その自信過剰が、時として、観客に不快感を生むのです。

自分のウシに自信のあるリード・パーソンは、一次選抜(ファースト・ピック)で、自分の予想よりも下位に選抜される。あるいは、ライバルのウシよりも下位に選抜されると、もろに不快感を顔に表すリード・パーソンが多々います。この態度は、観客席から見ていて非常に不愉快です。
観客席には、酪農仲間だけではなく、少ないですけれども一般の観客、つまり、皆さんの搾った牛乳を飲むお客様もいるのです。

子供たちは、はっきりとものごとを言います。「あのお兄ちゃん怒った顔をしているけど、どうしたのかな。」と。

ファースト・ピックは最終ではありません。審査員が見逃していたためにセカンド・ピック(二次選抜)で順位が変わることが、ままあります。
セカンド・ピックで順位が上がり、ニコッでは、本当に不愉快であり、人間性を疑ってしまいます。

私は、このように顔色を変え、不快な態度をとる若者に、「自分の顔を見るために、手鏡を持ってリードしろ。」と、言ったことがあります。もちろん、手鏡を持ってリードすることはできませんが、自分の顔の変化を見て態度を改めろ、と言いたいのです。

どんなにリードするウシが素晴らしくとも、どんなにリードするウシに自信があっても。その共進会(ショー)で順位を決定するのは、審査員であって、リード・パーソン自身ではないのです。審査員は、個々人の感覚によって審査します。そして、審査をまかせた以上、どんな審査結果であっても、審査に文句をつけることはできません。皆さんが審査員にできることは、「次回から、その審査員を呼ばない」ことだけなのです。

どうか、リード・パーソンはそれほど勝負にこだわらず、観客を楽しくさせる気持ちのいいリードをしてください。

皆さんは、観客が一人もいないリングでウシをリードしたいですか。たくさんの観客がいるリングで、「よし、素晴らしいリードを見せてやる。」と、思いませんか。

ホルスタイン・ショーを見に来た観客に、「ホルスタイン・ショーは素晴らしい。今度は子供を連れて見にこよう。」と、思わせるリード・パーソンになってください。

共進会(ショー)は、人格形成での場でもあるのです。そのことを十分に理解して、順位に一喜一憂しないでください。