皆さんは、ショー(共進会)への出品にあたってウシの毛刈りをしますね。時には、毛刈りのプロに頼んで。
ショー(共進会)への出品にあたって、出品牛の毛刈りをすることは、審査員や観客に対してのマナーであることは確かです。
毛刈りの重要性は認めますが、あれほどまでに毛刈りだけに熱中する必要はあるのでしょうか。
ショー(共進会)とは、ウシの乳用成と正確な骨格を競う会であって、毛刈りの技術を競う会ではないはずです。
一方、各都道府県の同志会が行っている毛刈り競技会は、毛刈りの技術を競う競技会であってショー(共進会)ではありません。
全都道府県のトップクラスが集まる全日本のショー(共進会)は別として、都道府県単位のショー(共進会)で、毛刈りの差で順位が決まるほど接近したウシが出品されるとは、失礼ながら考えられません。毛刈りの差で順位がきまるとしたら、それは審査員が、毛刈りをしたウシでしか骨格を見れない証拠ではないでしょうか。
誠に残念なことは、毛刈りのプロに謝礼を払ってまで、あれほどに毛刈りやトップラインの作製に熱意を込めているにもかかわらず、素晴らしい毛刈りをしたウシをリードするリード・パーソンに、ウシをリードするにあたって、毛刈りに払ったほどの真剣さが感じられない ことです。
「毛刈りの仕上げをプロに頼んだので、俺のウシは完璧だ。当然、一位になるだろう。」と自負しているのか、実に悲しいことです。全出品牛が同じ毛刈りのレベルであるのに。
毛刈りをしたウシを美しく見せるのは、リードの技術、リードへの真剣な取り組みなのです。
ショー(共進会)に熱心なある高齢の酪農家が言っていました。「最近のショー(共進会)は、毛刈りのプロと酪農機材の会社だけが儲かる場になってしまったな。」と。
多少毛刈りが未熟であっても、自分の毛刈りでショー(共進会)に出品してみてはいかがですか。
自分の毛刈りで出品したウシが、どの位置にランクされるかわかりませんが、それは毛刈りのせいではなく、ウシの骨格のせいだと割り切って。
また、皆さんは、毛刈りを春と秋のショー(共進会)シーズンに、出品するウシだけにやっていませんか。それでは、なかなか毛刈りの技術は上達しません。
毛刈りへの提案ですが、夏場に練習を兼ねて毛刈りをしたらいかがでしょうか。
練習の積み重ねによって毛刈りの技術が上がるとともに、暑さに弱いウシの毛を刈ることによって、ウシは多少なりとも暑さのストレスから解放されて、産乳能力を落とさずにすむかも知れません。まさに、一挙両得です。ぜひ、実行してみてください。