ホルスタインの体の容積と心肺機能の維持に関係する『体の深さ』

線形部位の“ 体の深さ ”とは、前躯の胸の深さを指しています。

前躯には、心臓と肺が存在するため、前躯が深いことが心肺機能の充実のためには極めて重要なのです。

昔、日本では、ホルスタインは“三つの楔形(くさびがた)”から成ると表現されてきました。くさび形とは、Ⅴ字形をいいます。
ホルスタインの三つのくさび形とは、前から見たくさび形、上から見たくさび形、横から見たくさび形です。
この三つがくさび形ではなく四角形なのは肉牛だ、とも言われてきました。

しかしながら、高泌乳能力を持つ最近のホルスタインの心肺機能の充実のためには、横から見た楔形で胸の浅いウシは弱いウシであると考えられ、最近の改良では胸を深くすることが追求されています。

ショーに出品するウシは丁寧に毛刈りをしますが、この毛刈りで、胸の下の毛を敢えて刈らずに残しているのは、目の錯覚を利用して、「このウシは胸が深く心肺機能が充実している」、と審査員にアピールする手段なのです。

心肺機能などを考えずに、単純にホルスタインの美しさを見た場合、横から見た形態が、四角形よりも若干胸が浅いウシのほうが美しく見えるかも知れません。
アメリカとカナダのツルー・タイプを比較するとわかりますが、横から見るとアメリカのツルー・タイプは四角形であり、カナダのツルー・タイプは若干胸が浅くくさび形に見えます。
このあたりに、各国の改良方向の違いが見てとれます。
日本のツルー・タイプはアメリカと同じように四角形です。