ホルスタインの搾乳性に関係する『後乳頭の配置』

“後乳頭の配置”は、後乳頭が分房の中央に対して、どの位置に付いているかをみます。
分房の中央より内側についている乳頭を“内付き”、分房の中央より外側に付いている乳頭を“外付き”と表現します。

“後乳頭の配置”は、乳頭が分房のどの位置に付いているかを評価するのであって、乳頭が向いている方向は考慮しません。

“後乳頭の配置”は、搾乳器の付けやすさに関係します。
また、あまりにも外付きですと、ウシが起立するときに、乳頭を傷つける恐れがあります。

“後乳頭の配置”は、外付きよりも内付きのほうが好ましいため、内付きがプラス、外付きがマイナスと評価されます。しかし、実際には中央が最も良い位置であるため、この部位も標準化伝達能力では、プラスでもマイナスでもないゼロが最も評価の良い部位となります。

乳房は、産次が進むに従って中央懸垂靭帯が徐々に弱まり、乳房が下がってきます(下の写真)。中央懸垂靭帯が弱まるということは、乳房底面の乳房間溝が浅くなってくることを意味します(下図の左側2図の緑)。しかし、乳房底面の乳房間溝が浅くなっても乳房間溝の中央と乳頭の付け根の距離は変わらないため(下図の左側2図の青線)、乳頭は徐々に外付きになってきます(下図の下段左図)。産次が進んでも乳頭を分房の中央付近に置くためには(下図の下段右図)、初産での乳頭の配置は、若干、内付きのほうが良いかも知れません(下図の上段右図)。

標準化伝達能力で、プラスよりもゼロがいい部位は、『乳頭の配置』の他にもあります。
それは、乳房の深さ・乳頭の長さ・後肢側望・尻の角度 です。

『乳房の深さ』は、浅すぎると(プラス)乳房が小さくなりますし、深すぎると(マイナス)乳房が汚れたり、ウシが起立時に乳頭を損傷する恐れがでてきます。
『乳頭の長さ』は、長すぎると(プラス)ウシが起立するとき、乳頭を損傷する危険がありますし、短すぎると(マイナス)、搾乳器の装着が困難になります。
『後肢側望』は、曲飛(プラス)でも直飛(マイナス)でも、ホルスタインの運動機能によくありません。
『尻の角度』は、斜尻(プラス)は見た目によくありませんし、ハイピン(マイナス)は難産の傾向となります。