ホルスタインの産乳量に影響する『乳房の質』

“乳房の質”は、乳房が張っているときの乳房の柔らかさの程度を査定します。

乳房の各分房は乳腺細胞と組織細胞と脂肪とでできています(下図の黒丸が乳腺細胞で茶色部分が組織細胞と脂肪)。乳房が張っているとき、乳腺細胞が多い分房は牛乳がつまっているために柔らかく弾力性がありますが、乳腺細胞が少なく組織細胞と脂肪の多い分房は肉質で弾力性がありません。

例えば、水ヨーヨーは、風船の中に水がたくさん入っているため、つかむと柔らかく弾力性がありますが、肉の塊[かたまり]は組織細胞と脂肪ばかりですから弾力性がないのと同じです。

質の良い柔らかい乳房は、後乳房の付着部の内側が、搾乳前は牛乳がたまっているために張っていますが、搾乳後には牛乳が排出されたため、乳房の容積が減ってたくさんの縦しわが見られます(下図の緑線)。また、搾乳前は離れていた左右の後乳頭が、搾乳後にはキスするくらいに近づく、あるいは、キスをしてしまいます(下図の赤線)。

一方、乳腺細胞が少なく組織細胞と脂肪の多い、質のあまりよくない肉質の乳房は変化に乏しく、搾乳後も後乳房の付着部の内側は張っていますし、両乳頭の距離も縮まりません。

線形のグラフでは、柔らかい乳房がプラス、肉質の乳房がマイナスで表示されています。当然のことですが、プラスが評価されます。

なお、育成時期にエネルギー過多で一旦乳房に沈着した脂肪は、その後、非常に落ちにくいですから、育成管理には十分に気をつけてください。