ホルスタインの耐久性に関係する『後肢後望』

『後肢後望』というと、ウシを後ろから見て、後肢の飛節の寄りを判断すると思います。この見方は、間違いではありませんが、簡易的な見方です(下図の左図)。
『後肢後望』の正式な見方は、寛から下した垂線に対して、飛節の寄りと蹄の位置を評価します(下図の右図)。

飛節は若干内寄りなのが一般的ですが、真っすぐなほうがベストです。

標準化伝達能力では『後肢後望』は、真っすぐなほうがプラス、内寄りがマイナスと評価されます。

後肢が真っすぐですと、両後肢は平行となり肢間は上から下まで同じ幅となるため、飛節をいためません(下図)。

飛節が内寄りですと(X脚)ですと、飛節にダメージを与えるため、やがて歩行困難となり、廃用の一因となります。
また、飛節の内寄りは(X脚)、乳房に圧迫を加えることともなり、好ましくありません。

飛節が内寄りですと、蹄の先は開いてきます。

ここで実証実験をしてみましょう。
両手を真っすぐに前に伸ばし、手のひらを下に向け水平にしてください。
次に、肩幅を変えずに両肘[ひじ]を内側に寄せてください(下図の左図)。
手のひらが開いてきませんか(下図の右図)。

腕が後肢で手のひらが蹄とすると、肘(飛節)が内寄りになると、手のひら(蹄)が開いてくることが理解できたと思います。

前肢についても同じで、前肢の関節が内寄りになると、前肢の蹄は開いてきます。

『前肢前望』の体型形質はありませんが、同じ評価と理解してください。